篠笛の“呼吸”を音楽に刻む――狩野泰一『WORLD PEACE』がついにリリース - (Page.2)

 
音楽

篠笛と和太鼓を音楽の核に据え、そこにピアノが静かに呼応する編成は、音と音のあいだに豊かな奥行きを生み出す。旋律やリズムを誇張するのではなく、互いの音が空間に溶け合いながら進んでいくその佇まいは、聴く者の感覚を内側へと引き込み、静かな集中を促していく。

音の奥行きを描く、深度あるアンサンブル

和太鼓を担当するのは、元「鼓童」の中心的奏者として世界的に活躍してきた金子竜太郎。その一打一打は、篠笛の旋律を支える土台としてだけでなく、音楽全体に時間的・空間的な深みを与えている。ピアノには、ジャズを軸に多彩な表現を続ける林正樹が参加。旋律を前に押し出すのではなく、音の余白や陰影を丁寧に描き出すことで、アンサンブルに静かな崇高さをもたらしている。

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