(2) ドーム映像作家飯田将茂監督&舞踏家最上和子の初長編『東京巡礼』完成──映画監督押井守を交えた豪華鼎談 - (Page.14)

押井 たしかに面白いんだけど、ストレートに舞踏っていうことに結びつかないよ。普通の感覚で言うと。
最上 それは舞踏を「踊り」だと思っているからじゃない?
押井 たぶんね。
最上 それ、踊りじゃないんだよ。もちろん踊りもあるんだけど、踊りだけじゃない。
踊りの手前のところだから、私がやっているのは。
押井 そうなんだけど、たぶん普通の人はちょっと分かんないと思う。
最上 そうか。
押井 芝居の台詞が流れているんだけど、舞台の上は空っぽであるとか、客席も空であるとかさ。あそこだけね、演出の意図が猛烈に入っている。
飯田 たしかに、それは。
押井 演出全開ですよ。
飯田 いちばんあざとく。
押井 面白いんだけど、あそこは普通に……。
飯田 実験的なアート映画に……。
押井 なっちゃっているよね。昔から映画でも演劇でもあったんですよ。舞台の上に灰皿が置いてあって、煙草の煙が流れているだけとか。観客を不在にして演劇をやってみたりとか。観客を舞台に乗っけちゃって、逆に演者は客席から芝居をしてみたり。一時期のポップアートみたいなもんで、試みとしてはいくらあっても構わないんだけど、試みが裏目に出てしまう場合がある。まして世の中に舞踏を認知してもらうための、舞踏をアピールするための映画だというのであれば、再編集をおすすめします。編集するだけだから、そんなにお金もかからないよ。
──映像そのものは?
押井 撮影のクオリティは本当に高いと思った。このままシアターで公開できるクオリティだよ。
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