イランの巨匠が撮る社会派サスペンスの最高峰『シンプル・アクシデント/偶然』を森達也(映画監督・作家)が語る / 他 - (Page.5)

 
映画

森監督はまず、本作を「パナヒ監督が、ひとつの最高点に達した作品」と高く評価。背景には厳しい検閲体制があるイラン映画全体に通底する特徴として、「虚実のあわいをあえて分けない表現」があると指摘しつつ、「表現は結局フィクションなんです。映像だけじゃない。活字もそう」と持論を展開。そして、自身もテレビドキュメンタリー出身として、“客観性”や“事実性”を極端に重んじる従来のドキュメンタリー価値観に違和感を抱いてきたと明かし、「イランの映画人たちは、そこを潔く踏み越えている」と語り、「偶性やメタファーに頼らざるを得ない。でも逆に、それが表現を豊かにしてきた」とし、本作についても「パナヒ自身の作家性と、イラン映画の蓄積が結実した作品」と分析。

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