映画『宝島』大友啓史インタビュー 「今の時代とは比較にならないくらい、死というものが傍らにあった時代」真藤順丈による傑作小説を映画化 - (Page.6)

 
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●全国キャラバンでの先行上映会では、戦果アギヤーの存在を含め、コザ騒動なども本作で初めて知った方も少なくなさそうな反応でしたよね。

沖縄がまだアメリカに統治されていた「宝島」の物語が描かれた時代、本土では高度経済成長期を迎え、自由・平等・個人の権利などが保証され、身体的な危険、肉体的な消滅、直接的な死というものから離れ、どんどん豊かになっていきました。安全な国になった。一方の沖縄はその過程で、相変わらずの状態が続いていた。撮影時、僕たちは俳優たちとずっと話していたのですが、今の時代とは本当に比較にならないくらい、死というものが傍らにあった時代だったなと。死生観も含めて、現代との大きな違いはそこなんです。

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