イランの巨匠が撮る社会派サスペンスの最高峰『シンプル・アクシデント/偶然』を森達也(映画監督・作家)が語る / 他 - (Page.7)

 
映画

作品の主題については、“誰か個人が悪なのではなく、問題は体制そのものにある”という視点を強調。「映画的には悪いやつを造形したほうがわかりやすいし、感情移入もしやすい。でも彼は絶対にそれをやらない」と語り、体制の<処刑人側>の苦悩も描いたイラン映画『聖なるイチジクの種』なども例に挙げながら「体制や組織こそ諸悪の根源だという思いが、イランの映画人たちには共通しているのではないか」と述べ、主人公が復讐をもって奪われた尊厳を取り戻そうとする中で、“暴力の連鎖を続けていいのか”という問いが投げかけられる点についても、「映画は答えを出すためのものじゃない」とコメント。「提示された問いを受けて、あとは観客が考えればいい。それで十分」と、作品が観客に思考を委ねる姿勢も評価。

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